乙女ときどき予知者




いやいや。



『連打で押すやつアンタしかいないから』



「あっ、そっか!!」



納得するんだ。



疑ったりしないのね。



『まぁ上がりなよ。急ぎの用でしょ?』



「うん」



とりあえずリビングのソファーに座らせた。



『はい、お茶。どこで転んできたの?』



「エスパー!?」



来てそうそう何を言ってるんだ、この子は。



『そんなわけないでしょ?膝擦りむけてる』



「あっ、ホントだぁ!?」


せめて気づこうね。



『手当てしてあげるからちょっと待ってて』



「亜美チャンと尚斗クン旅行だっけ?」



亜美(あみ)チャン→あたしのお母さん


尚斗(なおと)クン→お父さん



なぜか両親を友達感覚で呼ぶ。



あたしも里麻サンと和希サンって呼んでる。



まぁ昔からそう呼んでたからそのままなだけ。