乙女ときどき予知者



首を傾げているといきなり頭の中で映像が流れた。


これは……。


今日の夜の梓と真士先輩?


『梓。今日の夜、ケンカしちゃダメだよ?大切な人が傷つくから』


「ん?分かった」


どうか二人が別れたりしませんよーに。


「あーそうだ。お嬢ちゃんメアドと番号を教えくれないかい?」


「どこの怪しいおっさんだよ……?」


「時々こーゆうのやりたくなるんだよー」


梓は頬っぺたを膨らませた。


『あははは……別に良いよ!』


頬っぺたをツンツンしながら言った。


真士先輩からとんでもない質問をされた。


「何でそんなこと分かるの?」



まさか、予知能力がありますなんて言えないし……。


そうだっ!


『勘……そう勘ですよ!?』


真士先輩は「ふ〜ん」と言って首を傾げたままだった。