乙女ときどき予知者




ずっといらんって言い続けるとそのうち脅しに変わるし、キレる前にYesと答えるのが手っ取り早い。



「よしよし。宙クン良くできまちたね〜♪」



コイツこれが言いたかっただけだろ。



梓に頭を撫でられる俺。


なんつーか……すっげー屈辱的なんだけど。



「なんか……犬みたい」


梓が撫でながら言った。


『犬じゃないし、間違ってもお前には飼われなくない』



毎日屈辱的なんてぜってーやだ。



「ひっどー」



「じゃあ真士先輩は?」


斯波が真士を指した。



真士がにっこり笑う。



『お前ら両方やだわ』



「なんで?優しくするよ?」



梓に飼われるのはなんかムカつくから嫌だし、真士は考えてること見透かされる。



『いろいろ怖いからパス』



「じゃあ飼われるなら誰が良いっすか?」



犬は決定なのか……。