乙女ときどき予知者




確かこのあと選抜があるから……。



『戻ります』



「はい、終わった!無理しちゃダメよ?」



『はーい!分かってます』



先生に向かってVサインをした。



《選抜リレーに出る生徒は召集場所に移動してください》



「あっ……」



『大丈夫ですよ!宙先輩は召集に行ってください』



先輩は心配そうな顔であたしを見た。



『一人で歩けますしすぐ近くだし平気です。それに本部で応援してますから』



「じゃあ気をつけて戻ってね。行ってくるよ」



先生がいるから会長モードで。


先輩は笑って行った。


「今井クン、柴咲サンのこと好きなんじゃない?」



『えっ?』



保健先生がコソッと告げた。


『宙先輩はみんなに優しいんですよ』



「えーそうなの?先生はてっきり……」



先生は残念そうに顔に手を添えた。