乙女ときどき予知者




「……。」



それ以上先輩たちは何も言わなかった。


さっきまで上がっていたテンションはガクリと落ちた気がした。



ますます先輩を落とすには難しいなぁ。



でもそんなことばっか考えてても仕方ない。



先輩と仲良くなることだけを考えよう。



『先輩……』



「あっ、ごめん。行こうか」



先輩はまた歩き始めた。


先輩は今何を考えてるだろう……?



少なくとも嫌われてないといいな。



ううん、嫌われないよう頑張ろう!!



「先生」



「あら、柴咲サンと今井クン。どうしたの?」



「柴咲サンが足捻ったみたいで」



「じゃあそこに座らせてくれる?」



「はい」


シートの上に座らせてくれた。



「靴下脱がすね」


『はい』


そう言って靴下を脱がせた。



「う〜ん。少し腫れてるわね。このあと競技出る?」



『ないです』



「湿布張っとけば良くなると思うけどここで休んでいく?」