「心、落ち着いて」
そう言われて椅子に座った。
「俺たちが勝手に手を出してたとえ恋が実ったとしてもそれは麻理菜チャンの力じゃなくなる。俺らが出来ることはこーやってさりげなく二人の時間を作ること」
『それだけで良いのかな……?親友なのに何も出来ない』
「大丈夫。あたしたちも心と同じ気持ちだよ。見るだけは辛いよね。今は出来ることから始めれば良い」
梓が優しく撫でてくれた。
泣きそうな顔をしてたのかもしれない。
『同じ……』
「俺らだって宙の幼なじみだしな。だから言えるかもしれないね。探してごらん。心奈チャンに出来ること」
あたしに出来ること……。
麻理菜をファンから守って無事に体育祭を終わらせること。
「答えが出たかな?」
真士先輩があたしに微笑んだ。
『はいっ!』
「麻理に後でバラそう」
『何を?』
梓ニヤニヤしすぎでしょ……。
「心は泣きそうな顔までも可愛いって♪」
『そんなこと言わなくていいからっ!!』

