乙女ときどき予知者



『とりあえず降ろしてください』



―……ガラガラ。


「先生いますか?」


―……シーン。



『いませんね』


「あぁ……じゃあ俺が手当てしてやる」


いやいや!!


『そんな!申し訳ないです!!』


「あ?気にすんな」


こんなところ会長ファンに見られたらあたしの命が……。


『……イタッ!』


「すぐ終わるから我慢しろ」


『はい……』


うぅっ……染みる。



―……ガラッ。



女子じゃありませんように……。



「どーだい?終わったかー?」


「そろそろ準備しなきゃだよーん?」


「あー……もうちょいで終わる」


不思議なテンションで入ってきた二人。


「ん、終わった」



―……ズキッ!


『押さないでくださいよ……』


絆創膏の上から宙先輩が軽く押した。


―……ガラガラ。


「準備出来ました」


「ご苦労サン。じゃあ行くか」


4人は保健室から出ようとする。


状況が分からずあたしだけが突っ立っていた。


「いつまでも突っ立ってないでさっさと来い」


『行くってどこへ?』



「決まってんだろ」


「体育館!」



『……。』


「集会だぞー覚えてるかー?」


『……えー!!』


「声でかい……」


斯波様がお怒り寸前だ……。