乙女ときどき予知者



「麻理さ。なんかあるでしょ?未来が見えるとかの」



あたしは慌てて麻理菜をみた。


麻理菜の目はまっすぐ梓を見ていた。


決心したんだ。


「心も心当たりあるみたいだね。まー幼なじみだし逆に知らない方が変か。真士と宙には言わないから言って?」


『真士先輩は知ってますよ?』


「先越されたか。まー良いや。で?」


「あたしには予知能力があるの」


本当は怖かっただろうな……。


あの日が蘇るみたいで。


でも梓は信じて良いと思うよ?


『麻理菜……』


小さく呟いた。


麻理菜はあたしをみた。

瞳から伝わってくる。


"大丈夫" "心配しないで"って。