「杏奈と仲良くなったのは良いけどさ」
そう言ってテーブルにある紙を指でトントンとした。
『なんですか?』
「文章が全然進んでないんだけど……」
『うっ……見逃してくれませんか……?』
「くだらないこと言ってないで早く座れ」
今度は隣の座布団を叩いた。
そこに座るには勇気がいるんだよ……。
先輩の隣はドキドキしすぎて心臓痛いんだもん。
それに先輩はあたしのこと好きじゃないのが分かる。
それがまた悲しい……。
「さっさと来ないともう見ねーぞ」
うっ……それは困る。
『はい……ごめんなさい』
今度は真面目にやります。
多分……。
―……1時間後。
「んーよく寝た……今何時……?」
相変わらずドキドキしながら真面目にボリボリ書いてると梓が起きた。
「梓起きたんだ。今……4時だけど?」

