しっかりした子だなぁ。
「あっ、宙にぃさっきアイス買って来たんだけど食べる?」
宙にぃって呼んでるんだ。
「あー食うけど梓はいらん」
「梓チャンお腹でもこわしてるの?」
「いや、寝てるだけ」
「そっか。じゃあ後で持っていくね!」
「サンキュー。じゃあ部屋にいこうぜ?」
『あっ、はい!』
「麻理菜サン」
動こうとした瞬間杏奈チャンに呼び止められた。
振り向くと杏奈チャンが近寄ってきた。
「運ぶの手伝ってもらいたいですけど……」
『分かった!』
「じゃあ俺先行ってるわ」
―……台所。
「麻理菜サン」
『ん?』
「宙にぃのこと好きですよね?」
作業しながらポツリと呟いた。

