乙女ときどき予知者



台所を出ると真士がいた。


『なんでいるの?片付けはー』


「終わったからこっち手伝おうって思って」


真士も相変わらず気配り半端な。


『じゃあこれ……んっ……』


いきなりのキス。


真士とのキスは好き。


優しくて大切なものを扱うみたい。


『……んっ……』


―……ピンポーン。


「あっ、ワリィ。梓が可愛いくてつい。今日の夜会えないんだし許して?」


許してとか真士の方が可愛すぎだから!!


「じゃあコップ持っていくよ」


『ん。ありがと……』


「顔真っ赤だよ?」


それだけ言い残し、また慣れた手つきで階段を上がっていった。


アンタのせいでしょ!


まったく……真士には敵わないな。


―……ガチャ。


『心、麻理いらっしゃい迷子にならなかった?』

「心奈がいたから大丈夫だった!はい。お菓子」

「今日はお世話になります。これあたしん家からです。」


『こちらこそお菓子やらありがと。二人とも先に部屋行ってて。2階に行けば分かるから』


よしっ!


バレてない。


心が耳元で囁いた。


「さっきまでイチャついてました?」


ばれたー!!