ー…私は、ネコ。
その名前のように、神様は私を気まぐれな性格にしたらしい。
好きなものは、好き。
やりたいことしか、やらない。
それ以外には、興味ない。
来るもの拒まず、去る者追わず。
それが私のモットー。
だから、私が細井くんが好きだと知って、期待外れだと思うのなら。
勝手に離れていけばいい。
「…ネコってさ、」
「……。」
「前から思ってたけど、正直何考えてるのかわかんないよね。
ぶっちゃけ、胡散臭い。」
……あぁ、だけども、
実際に離れていかれるとなると、心が少しだけ、ツンとなるものだ。
「ネコだったら、細井じゃなくてもっといい奴狙えるのに。」
「ネコがこんな奴だなんて、ガッカリ。」
「別にネコが細井を好きだから、嫌だって言ってるわけじゃないよ?
前々から、ネコって本当に私たちといて楽しいのかなって思ってたんだよね。」