ヒグラシの鳴く、物悲しい京の町。


そこをわたしは、永久さんと一緒に歩いていた。



正直、屯所に帰るのはまだ・・・気が引ける。


のんびり散歩でも、と誘って付き合ってもらっていた。



「あの・・・永久さん」


「ん?どうかした?」



鴨川沿いの道を歩きながら、声を掛ける。


反射した夕陽が、目に付き刺さって痛かった。



「あの、甘味屋に入ろうとした時、沖田さんと会った。

って言ってましたよね?」


「うん、そうだけど?」


「・・・えっと、用事の方は大丈夫ですか?」