平助君なんて・・・嫌いだ。


こんな時に、近くに居てくれないなんて。


・・・大嫌いだ。


振り下ろされる刀を見つめながら、そんな考えが頭を巡る。



「あ、危ない!」



武士として、絶対にしてはいけなかったのに・・


わたしは、目を敵から逸らしてしまった。



『キィ――――ンッ』



耳を塞ぎたくなる金属音。


襲い掛かってこない痛みに、恐る恐る目を開ける。


刀を交えていたのは・・・沖田さんの後ろにいた、見知らぬ少女だった。