そんなとき、母が帰宅した。 「ただいま~。あら、甘い臭い……チョコレート?」 そう言いながら、近づいてくる。 「すみれ。もしかして……好きな人に?」 びくっ! 「…………え、と……」 お母さんには、なにも話していない。 何か、恥ずかしくて……。