「ご苦労」
低い声と共に、切っ先が再び身体の向こうに消える。
同時に、武将の身体が傾ぎ、そのまま、どっと倒れた。
ひゅん、と刀を振り、血を飛ばした真砂は、倒れた武将を踏み越えて、部屋に入った。
気配はもちろん、殺気すらも感じさせずに、いつの間にか近づいていた真砂に、千代は背筋が凍る思いをしながら、慌てて真砂を追い越し、まつに駆け寄った。
「まつ!」
「ち、千代……」
振り向いたまつは、千代を見るなり縋り付いてきた。
「お、お方様は、ここで死ぬって。でも切支丹は自害できないから、まつに頼むっていうの。逃げないのなら、手伝いなさいって」
「ええっ」
「お方様を殺すなんて、そんなこと、できないよぅ」
おろおろと言うまつは、部屋の入り口辺りで行われている殺戮には、全く気づいていないようだ。
入り口近くには、五人ほどの武者がいた。
一番地位ある武将は真砂の一撃で倒れたが、同時にどこからともなく現れた清五郎も、刀を振るったのだ。
二人の乱破の早業に呆気に取られているうちに、部屋を守っていた武者は、次々と倒された。
低い声と共に、切っ先が再び身体の向こうに消える。
同時に、武将の身体が傾ぎ、そのまま、どっと倒れた。
ひゅん、と刀を振り、血を飛ばした真砂は、倒れた武将を踏み越えて、部屋に入った。
気配はもちろん、殺気すらも感じさせずに、いつの間にか近づいていた真砂に、千代は背筋が凍る思いをしながら、慌てて真砂を追い越し、まつに駆け寄った。
「まつ!」
「ち、千代……」
振り向いたまつは、千代を見るなり縋り付いてきた。
「お、お方様は、ここで死ぬって。でも切支丹は自害できないから、まつに頼むっていうの。逃げないのなら、手伝いなさいって」
「ええっ」
「お方様を殺すなんて、そんなこと、できないよぅ」
おろおろと言うまつは、部屋の入り口辺りで行われている殺戮には、全く気づいていないようだ。
入り口近くには、五人ほどの武者がいた。
一番地位ある武将は真砂の一撃で倒れたが、同時にどこからともなく現れた清五郎も、刀を振るったのだ。
二人の乱破の早業に呆気に取られているうちに、部屋を守っていた武者は、次々と倒された。


