「爺ってのが、湯浅五助だったとして……。ということは、やはり大谷の殿様の周りには、忍びの者が仕えてたってことになるな。けどそんなことよりも、不思議なのはお前だ。湯浅五助が赤目の忍びで、お前の父親に仕えていたのなら、大谷とどう繋がるんだ。深成の頭領が死んだから、大谷の殿様に仕えたのか? 頭領でもない一介の忍びが、結構な大名の大谷に、そうそう簡単に仕えられるとも思えん。何か、もっと強い糸があるはずだ」
優秀な忍びは、仕官の道があることはある。
が、名もないような忍びだと、相当強力な口添えがないと、まず望めない。
忍びは行動が闇に包まれているため、新参者は信用がないのだ。
ふと真砂は、深成の持っていた懐剣を思い出した。
「お前、例の懐剣、持ってないのか」
真砂に言われ、深成は懐を探った。
錦の袋を取り出す。
「これ、前も見たじゃん」
言いながら、深成が袋の口を解いて、懐剣を取り出した。
すらり、と抜いて、火に翳す。
おや、と真砂は、火に照らされる刀身を見た。
影の出来具合で、何か前に見えなかったものが見える。
真砂は顔を近づけた。
「えいっ」
いきなり深成が、真砂の頬を刃で軽く叩いた。
うっすらと、真砂の頬に赤い線がつく。
攻撃した深成のほうが、驚いて慌てた。
「ちょ、ちょっと。何で避けないのさ」
優秀な忍びは、仕官の道があることはある。
が、名もないような忍びだと、相当強力な口添えがないと、まず望めない。
忍びは行動が闇に包まれているため、新参者は信用がないのだ。
ふと真砂は、深成の持っていた懐剣を思い出した。
「お前、例の懐剣、持ってないのか」
真砂に言われ、深成は懐を探った。
錦の袋を取り出す。
「これ、前も見たじゃん」
言いながら、深成が袋の口を解いて、懐剣を取り出した。
すらり、と抜いて、火に翳す。
おや、と真砂は、火に照らされる刀身を見た。
影の出来具合で、何か前に見えなかったものが見える。
真砂は顔を近づけた。
「えいっ」
いきなり深成が、真砂の頬を刃で軽く叩いた。
うっすらと、真砂の頬に赤い線がつく。
攻撃した深成のほうが、驚いて慌てた。
「ちょ、ちょっと。何で避けないのさ」


