「真砂。やっと自分から頭領を名乗るのか」
真砂が認めようが認めまいが、すでに真砂は頭領として扱われているのだが、やっと自分から党を率いる気になったかと、清五郎は少し身を乗り出した。
だが真砂は、軽く首を振る。
「そうじゃない。皆が俺を頭領に立てたいと願っていることも、それが何故なのかも、わかっている、と言ってるんだ。だが俺には、変わらずこの党を率いていく気はない」
「何故だ? そこまで理解しているなら、真砂が一言、今後は頭領として皆を率いる、と言えば、皆安心出来るんじゃないか」
「それが駄目だと言うんだ。お前もわかっているだろう。一から十まで指示しないと動かなくなる。堕落の一歩だ。党が強くあるためには、個々が強くあるべきだ。おのおの自分で考え、思うように行動すればいい。それで失敗すれば、その者は淘汰される。死ねばそれまでだし、生き残れば、その失敗からまた学べよう。それでいいではないか」
真砂の考えを、深成は初めて聞いた。
清五郎も、具体的に聞いたのは初めてなのかもしれない。
黙ったまま、真砂を見つめる。
「その考えこそが、まさしく王者の考えなのですが。実際実行できる人間など、そういるものではないのが現実です」
長老が静かに、顎髭をしごきながら言った。
真砂が認めようが認めまいが、すでに真砂は頭領として扱われているのだが、やっと自分から党を率いる気になったかと、清五郎は少し身を乗り出した。
だが真砂は、軽く首を振る。
「そうじゃない。皆が俺を頭領に立てたいと願っていることも、それが何故なのかも、わかっている、と言ってるんだ。だが俺には、変わらずこの党を率いていく気はない」
「何故だ? そこまで理解しているなら、真砂が一言、今後は頭領として皆を率いる、と言えば、皆安心出来るんじゃないか」
「それが駄目だと言うんだ。お前もわかっているだろう。一から十まで指示しないと動かなくなる。堕落の一歩だ。党が強くあるためには、個々が強くあるべきだ。おのおの自分で考え、思うように行動すればいい。それで失敗すれば、その者は淘汰される。死ねばそれまでだし、生き残れば、その失敗からまた学べよう。それでいいではないか」
真砂の考えを、深成は初めて聞いた。
清五郎も、具体的に聞いたのは初めてなのかもしれない。
黙ったまま、真砂を見つめる。
「その考えこそが、まさしく王者の考えなのですが。実際実行できる人間など、そういるものではないのが現実です」
長老が静かに、顎髭をしごきながら言った。


