「真砂っ」
今まさに出かけようとしていた真砂は、いきなり呼び止められて足を止めた。
渋い顔で振り返る。
清五郎が、手に紙切れを持って走ってきていた。
「矢次郎からの報告だ」
矢次郎とは、昨日茶屋で話した男だ。
真砂は黙って、清五郎から紙を受け取った。
「大した出入りもないようだな」
「使いに出るのも、女だけのようだな。あとは出入りの商人ぐらいか」
ますますわからない。
真砂はとりあえず、歩き出した。
清五郎がついてくる。
「千代からの報告は?」
「何も。不穏な動きがある、とだけか。そんなことはわかってるんだ。使えねぇ女だ」
「あいつも、どうしていいのかわからんのかもな」
「状況に応じて動けないようなら、用無しだ」
吐き捨てるように言いながら歩いていく真砂の後ろを歩きながら、清五郎は、きょろ、と周りを見渡した。
今まさに出かけようとしていた真砂は、いきなり呼び止められて足を止めた。
渋い顔で振り返る。
清五郎が、手に紙切れを持って走ってきていた。
「矢次郎からの報告だ」
矢次郎とは、昨日茶屋で話した男だ。
真砂は黙って、清五郎から紙を受け取った。
「大した出入りもないようだな」
「使いに出るのも、女だけのようだな。あとは出入りの商人ぐらいか」
ますますわからない。
真砂はとりあえず、歩き出した。
清五郎がついてくる。
「千代からの報告は?」
「何も。不穏な動きがある、とだけか。そんなことはわかってるんだ。使えねぇ女だ」
「あいつも、どうしていいのかわからんのかもな」
「状況に応じて動けないようなら、用無しだ」
吐き捨てるように言いながら歩いていく真砂の後ろを歩きながら、清五郎は、きょろ、と周りを見渡した。


