ブーッブーッ
電話 ?
ポケットの中で携帯が揺れる。
会社からだったら嫌だなぁ。
思い気持ちでポケットから震える携帯を取り出した。
えっ!?
なんで?
携帯の液晶に映った名前を見て体が固まる。
『陸』
その一文字が懐かしやら信じられないやらで目を疑ったり通話ボタンを押すのを躊躇ったりしてしまう。
1年も連絡が無かったのに。
突然何なの?
騒ぐ鼓動を落ち着かせながら、鳴り止んで欲しくなくて通話ボタンを押した。
ゆっくり耳元へ携帯を運ぶ。
「もしもし」
『もしもし』
えっ?
この声。
私は慌てて後ろを振り返った。
「久しぶり」
機械の声と、両耳に届いた声が重なった。

