花火を指差しながら笑顔で話す。


そんな桜音に俺も笑顔で返した。


「琥珀くん見て下さいよ!今の花火キレイでしたね!」

「ん~……キレイだったけど、桜音の方が見てて飽きないから好き」

「もう!からかわないで下さい…よっ…」

「照れてる~かわいい!」

「かわいくないですっ!」


所詮学校の予算でやってる花火だから、すぐに終わってしまった。


花火の煙だけ残る空を寂しそうに見つめる桜音。


「終わっちゃいましたね…。また来年……あ、でも卒業してますよね~…」

「卒業しても俺は近くにいるじゃん?また花火見よっ」

「じゃあ……やっ、約束のキスして下さい」

「珍し~!桜音からねだるって!」

「かっ、勘違いしないで下さい!とっ、と、友達から言ったらいいと聞いたので……!」


望み通り桜音にキス。


下手くそな嘘ついてんじゃねーよ。


そんな照れ屋な桜音が、かわいくてしょうがないから隣にいていいのは俺だけ。