鬱、うつ、ウツ


森の中の土は常に湿っていて滑りそうになるが、なんとかバランスを取る。

猿の群れがこちらを見ているような気がする。

鳥の群れは、決して優しい声では鳴いてくれない。

ここには、大きな動物はいない。

小さな動物達がじわじわと僕を苦しめる。

虎でも出て来て僕が恐怖心を覚える前に後ろから一気に襲ってくれた方がましなのかも知れない。

じわじわ苦しめられる。

そういうのは、嫌なのだ…

よろよろと、歩く。

よろよろと、歩く。

微かな光が見えてくる。

この森にどのくらいいたのか分からない。

微かな光を頼りによろよろと、歩く。





僕は、ベッドの上で汗をかいている。

今回は助かった。

ただし、今回はだ。

次回は分からない。

次回はないのかも知れない。

しかし、多分次回もあるのだろう。

助かる境界線は、もしかすると恋愛感情よりも脆くマンションの人間関係よりも薄く何かの拍子に境界線は消えているのかも知れない。

今回助かった事をささやかに喜ぶしか非力な僕には出来ないのだろう。















おわり