「仲直りしてくれる?」


 私が訊ねると、いいけどとそっぽを向きながら答えた。


 
 ホームに自動販売機で温かい飲み物を買って、飲みながら帰りの電車が来るの待った。


 私の隣には頭1つ分、背の低い柏がいる。


 「今日はちゃんと髪乾かしたんだ?」


 「家に帰るまでに凍ったらやだもん。風邪ひきたくないし・・・。つーか、真冬に髪ぬれて帰る奴なんでいねーし!」」


 どうやらいつもの生意気柏に戻ったらしい。


 柏を見て、私は思わず噴出してしまった。


 「何笑ってんの?キモいんだけど?」


 私は笑いながら、柏のバックを指差した。


 「その、キーホルダー、私のあげたワラオだよね?・・・柏って、好きな子以外のプレゼントは受付けないんじゃなかったっけ?」


 柏のバックには水色のワラビーのキーホルダーがぶら下がっていた。


 柏と同じように生意気そうな顔をしている彼の名前はワラオだ。


 柏は慌ててキーホルダーをバックの中に突っ込んでワラオを隠すと、ちげーし、気が変わっただけだし!と言い訳を始めた。


 「柏、私のこと好きなの?」


 そう訊ねると柏は耳まで赤くなった。


 そんな柏の様子がかわいくて、思わず調子にのってしまう。