照れながらお辞儀をすると、クラスの男子と筆頭に拍手が起こった。


 職員室に戻ろうとする池見先生の周りを女子たちが囲んで、プレゼントを渡す。


 池見先生は少し困ったような表情をしていたけれど嬉しそうだった。


 私はそんな様子と自分の席から傍観していた。


 今日で最後だ。


 ポケットから携帯と先生が朝渡したメモの切れ端を開いた。


 (手、震えすぎで、緊張しすぎ。 板書の字汚い。授業のわかりやすさ、まあまあ。でも、最後の話を聞いて、池見先生はいい先生になれると思いました。 2-C 出席番号32番 茉雪ぼたん)


 実直な感想をメールした。