「お兄ちゃん、立ってよ………」

私は、お兄ちゃんの腕を引っ張る。

「んんー……………」

はぁ………。立つ気配全くなし……!

「…………………」

私は、諦めて、お兄ちゃんの隣に座った。

「んぁー、ゅうー………」

ギュッと、お兄ちゃんが私を抱き締める。

「なに………」

「可愛いなー…お前は本当に可愛い………」

お兄ちゃんは、私の頬とお兄ちゃんの頬を重ねて、スリスリしてくる。

「それはどうも………」

「俺の嫁にしたぃなー………」

「遠慮しときます」

「絶対に、七原達には嫁に出さんからなー……。お前は、俺の嫁だから………」

なんで、リンさん達が出てくるのか不思議だ……。

「そうですか。私は、変人じゃない人と結婚するつもりなので……」

「俺は、変人じゃないぞー……」

お兄ちゃんは、私から離れて床に寝っ転がった。

「お兄ちゃんは充分変人です」

「そんな事ないぞー……」

「じゃあ、今すぐに立ってベットで寝て。風邪引くから……」

「グカーグカー………」

凄いイビキ……、じゃなくて!!!!

「ちょっと!お兄ちゃん!殴るよ!」

「グカーグカー………」

「………お兄ちゃん、起きて!」

「………………、グカーグカー」

あぁ…、もう限界だ……。

「しょうがない……、部屋まで運ぶか……。よいしょっと………」

私は、お兄ちゃんの腕を引っ張って自分の肩にかける。

ズルズルと、お兄ちゃんの事を引きずってお兄ちゃんの部屋のベットに寝かせた。

「お休み……」

「………グカーグカー」

ていうか、凄いイビキ。それに顔、黙っていればイケメンなのにね……。

私の予想だと、お兄ちゃんみたいな人を世の中の人が。

『残念なイケメン』って言うんだろうね……。

「でも、リンさん達も残念なイケメンだよな………」

初めて会った時、命を引き換えに私の事くださいなんて言ってきたし……。

初めて会った時、本当に初めて会ったの?って言うくらい話が長いし……。

初めて会った時、変な言い掛かりをつけて、チョコを買おうとしてたし……。

「………………ふっ」

そんな遠い過去じゃないのに、凄い懐かしい感じがする。

まぁ、理由は。

あの人達と一緒にいたら、一分一秒が濃いからね。

もう、あの日から私の頭は、変人の人達のことばかり考えてる(考えさせられている)………。

「でも…、退屈ではないからね……」

今の生活に、不満はあまりない。

ただ、もっと大人としての自覚を持ってもらいたい(大人変人達)。

そして、バカな発言で私を奈落の底に落とさないように、意識してもらいたい(同級生の変人達)。

後、何気にセクハラをしないでもらいたい(変人変態先生)。

それと、私の日常を壊してほしくないし、私は極力平和な暮らしをしたいと思っているし、だから、変人オーラを出さないでもらいたい(変人全員)。

あ………。不満だらけだった………。

それに、最後の不満は一生晴れない不満だよね……。

「でも、まぁ……………」

暇つぶしには、最適だよ。変人達と過ごすのはね。