「それでだな!優!」

「優さん、あのね?」

「確か…、あれは…ね?」

「皆さん、一緒に話さないで下さい!何言ってるか、分かりません!」

はぁ、はぁ、……。恐るべき、変人モンスター…。たった…。ほんの、たった。数日3人で、居なかっただけで、ここまでレベルアップしていたとは……。

私は、修業を積むのをサボっていたのか…。だから、ココまでダメージが多いのか…。

「おい!僕が、一番最初に優と話してたんだ!お前らは、黙ってろ!」

「アラタが、黙っててよ」

「そうだよ…、アラタが黙ってて…よ?」

「何だと?!2対1は、卑怯だぞ!…あっ、じゃあ優に聞こうじゃないか!優!お前は、誰が黙ってると嬉しいんだ?!」

「皆さんです。皆さん、黙ってて下さい。うるさいです。バイトに集中出来ません」

「「「……………」」」

……………。って、本当に黙るし……。本当に、この人達は冗談が通じないと言うか。私のキツい冗談を真に受けすぎと言うか…。

「はぁ……。私のバイトを邪魔しないなら、黙らなくて大丈夫です……」

「あぁ!邪魔は、しない!」

「うん。約束するよ」

「邪魔は、しないって…ね?」

「なら、良いんですけど……」

「じゃあ、優!僕に、お茶をくれ!」

「自分で、持ってきて下さい」

「僕は…、チョコが良い…な?」

「自分で、持ってきて下さい」

「俺は、コーヒーを!」

「サイズは、どのくらいで?」

「何で、リンのは持ってくるんだよ!差別だ!!」

「そうだよ…優ちゃん…、差別…だよ?」

「………はぁ。お茶は、コンビニの奥に冷やされています。チョコは、パンコーナーの後ろにあります。コーヒーは、私の隣にコーヒーを煎れる機械があります。分かります?」

「何をだ!」

「お茶…。飲み物は、自分で持ってくる物。チョコも自分で持ってくる物。コーヒーは、私が煎れるんです。これは、私の仕事なんです」

「……………」

「私は、出来る限りレジから離れません。なので、自分で買いたい物。欲しい物を私のレジの所に持ってきて下さい。私は、アナタ達の、奴隷じゃないんです」

「……………」

「それに。子供じゃないんですから、コンビニはどうやって、どうすれば物が買えるのか理解して下さい」

「最近、優は僕に対して冷たいんだよな…。これは、倦怠期なのか…」

「私は、アラタさんと付き合った覚えは全然無いですから」

「昔は、もっと優しかったよ…ね?」

「昔、と言う程一緒に過ごしてません」

「本当に、僕は優に」

「「嫌われたのか?」…な?」

「はぁ………」

変人モンスター3人の、相手はこんなに大変だったけ?…3人、と言うか、2人だけどさ…。

「優さん、あの。コーヒー……」

リンさんが、私達の言い合いの途中で。コーヒーを頼んできた。

「はい。…サイズは、どうしますか?S、M、L。3つのサイズがあります」

「じゃあ、Mで…」

「はぁ?リン!お前は、Mだったのか?」

「いつから、イジメられるのが好きになった…の?」

「「……はっ?」」

私とリンさんの、マヌケな声が漏れる。