「ねぇねぇ、優ちゃんは…ドコに行きたい…かな?」

「リイさんが、決めて良いですよ?」

今日も。バイト。そして、今日も。変人の相手と、変人とのデート計画。

「えぇ……、じゃあ、行きたくない所はドコ…かな?」

「行きたくない所…ですか…」

「うん…、行きたくない所…だよ?」

ドコ…だろう?流石に、行きたくない所は無いかも…。

「強いて言うなら、リンさんや、アラタさんと重ならなければ。ドコでも良いですよ?」

「そっか…、じゃあ映画とかどう…かな?」

「映画ですか。全然良いで…」

リイさんは、ポケットから何かを取り出した。長方形の薄い紙。

「何かね…、友達に映画のチケット貰ったんだ…ケド?恋愛モノ何だ…よね?」

「………?別に、良いですよ?」

「……なら、良いんだ…けど?」

「どんな映画なんですか?」

「相手の女の子が、病気持ちなんだ…よね?しかも、寿命持ち…なんだ?それが、3ヶ月しか生きられないんだ…よね?」

そう言った、リイさんは何故か少し泣きそうになってた。

「リイさん、その映画見たんですか?」

「………?見てない…よ?何で…?」

「少し泣きそうになっていましたから…」

「…………」

リイさんが、一瞬顔を怯ませた。

「…どうしたんですか?」

「何でも…無い…よ?」

「そう…ですか」

「そうだ…、映画の後、お食事行こう…よ?」

「はい。分かりました…」

リンさんと、少し被っちゃうけど…。

「心配しなくて大丈夫…だよ?リンと、違うお店に行くから…ね?」

「えっ?リイさん、皆さんがドコ行くって知ってるんですか?」

「うん…、皆で優ちゃんと、ドコに行くか決定したら報告する約束なんだ…よね?」

「そうなんですか」

「うん…、優ちゃんは、食べ物で何が好き…なの?」

「オムライス…とか。ハンバーグとかですかね」

「じゃあ、ハンバーグ食べに行こう…よ?」

「本当ですか?」

私は、嬉しくて少し興奮する。

「うん…、優ちゃんの好きな食べ物を食べに行こう…よ?」

「ありがとうございます。楽しみです」

「僕も楽しみ…だな?優ちゃんと、2人で話せるから…ね?」

「今も2人で話せてますけどね…」

「だよね…、でも、それは店員さんとお客さんの関係で話してる…から?僕は…、男と女の関係で話したいんだ…よね?」

「…そうですか…。…だったら今日は、無理ですね…。今日は、お兄ちゃんが迎えに来る日何で…」

「うん…、知ってる…よ?」

「そうなんですか?」

「うん…、先輩がソワソワしてたから、どうしたんです…か?って、聞いたら、今日優の事を迎えに行くんだーって、言ってたん…だ?」

「……お兄ちゃん、ちゃんと働いてよ……」

「でも、先輩は凄いと思う…よ?高校生の時、1人で優ちゃんを育てたんだから…ね?」

「えっ?何で、知ってるんですか?」

「優ちゃんと、会う前位に…、先輩と話したんだ…よね?」

「…………」

「…俺には大切な子が居るって…言ってた…よ?誰かなって、思ったケド、その子は僕の好きな人だったから…、ちょっとビックリした…な?」

はっ、恥ずかしい事をサラリと言った……。