「いらっしゃいませ」

今、コンビニでアルバイト中。…皆さん、多分気付いているだろけど、私は休みが非常に少ない。一週間の内、最悪な時は毎日。今週は、5日間。リンさんの時だけ、バイト。

……そういえば。今日は知らないおじさんに追いかけられたな。幻聴先生(南粋タキト)に怒られ。しかも、またもや意味不明。

『俺が格好良くてモテるからって、妬くな!!』って。いつ、私が幻聴先生に妬いたか教えてほしい位だ。

スイマセン。愚痴が走りました。今、私は凄いストレスというものが、溜まっているんです。周りに、正常な人間が居ないから。

「おーい。優さーん?」

私は、愚痴ってる途中で意識が戻る。目の前には、リンさんがいた。

「あっ、リンさん」

「えへへ。やっと、優さんに会えた」

「そうですね」

「俺、昨日からずっと楽しみにしてた」

「そうですか」

「昨日、ずっと優さんの事考えてた。デート、どこに行く?どこに行きたい?」

「リンさんが決めて良いですよ?」

「じゃあ、ね。…ご飯食べて、夜景見に行こうよ!」

「はい。分かりました」

「綺麗な所知ってるんだ!」

「そうなんですか。楽しみにしてますね」

「うん!楽しみにしてて!」

「はっ…」

私が、『はい』と、言おうとしたら、リンさんが私の言葉に重ねて、話し出した。

「そういえば、昨日、アラタと何かあった?今日、ちょっとアラタが元気が無かったから」

「えっ?アラタさんが?」

「うん」

「別に何も無かったですよ?」

強いて言うなら、名前を、真由美と間違われた事と、頬に…。キッ、キスされた事しか…。

「そう?」

「はい」

「なら良いんだけど……」

リンさんが、視線を下にしてから私の事を。ジッと見てきた。

「何ですか?」

「いゃ、可愛いなって思って……」

「なっ………!?」

この人は、恥ずかし気も無くサラリと恥ずかしい事を言いましたね?!

「って、あれれ?おっ、俺今何て……」

リンさんが、急に顔を真っ赤にして慌てだした。

「……………」

「ごっ、ごめん…。なんか、その…」

「別に大丈夫です……」

「そっ、そっか……」

「はい」

2人の間に、一瞬だけ沈黙が流れる。

「明日ね、リイが来るよ!」

「知ってます」

「えっ?何で?」

「アラタさんに教えてもらいました。今日、リンさんが来るって、事も知ってました」

「そうだったんだ……」

「はい」

「優さんは俺が来るって、知ってなんて思った?」

「……そうなんだ。って、感じでした」

「うっ、酷いな。そこは、嘘でも、嬉しいって思ったって言ってほしかったな…」

リンさんは、苦笑いをする。

「スイマセン。嘘はダメだと思いまして」

「まぁ、そうっ…」

プルルルっと、リンさんの携帯が鳴る。リンさんは、ちょっとごめんね?と、言ってコンビニから出て、携帯を耳に当ててた。