「なっ、何?優……?」

「レン、何かあったの?今日、ちょっと様子変だよ?」

「えぇえっ?!」

「……えっ?何?」

僕、鈍感な優に気付かれる程、様子変だったのかな?

「いっや、なんでも……?」

「……嘘だ。何かあったでしょ?正直に言いなよ?」

優の顔が、僕の顔に近付く。僕の顔は、多分真っ赤。分かりやすく例えるなら…。夕陽に染まった僕!!……もっと、分からなくなるか……。……あぁもー!パニックになりそう。って、なってるけど!

「なっ、何も無いよ……」

出来るだけ、視線をズラして答える。

「……………」

「……………」

「嘘だね……。何か、私に隠してる事あるでしょ?いゃ、……違うか……。私に聞きたいことあるんでしょ?」

「…………?!」

優は、テレパシーを使ってるのか?!優って、実は異世界から来た、人より優れた力を持った超ハイスーパゴッドエスパー人間なのか?!

「あるんだ……。ほら、何でも聞きなよ?答えれる事は答えるから。私達、“親友”でしょ?」

「“親友”………」

「そう。…“親友”なんだからさ…」

優にとって、僕は、やっぱり親友なのか……。嬉しいような。残念なような…。まさに、友達以上恋人未満の関係に近いな……。

「もし、親友って言葉が無かったら何?僕と優の関係は」

「えっ……?……うーん。…友達以上恋人未満…?」

「………そっか」

僕が、優の彼氏…大切な人になる事は無理って事だよね…。本人に、言われたんだもん…。友達以上恋人未満って…。僕は、痛い程…分かってたつもりなのに…。直接言われると、結構傷つくんだな…。

「……………?」

「いや、何でもないよ。聞きたかった事は、コレだから、もう大丈夫…」

「………そっか。凄い、変な事聞こうと思ったんだね。レンらしいよ」

「……そうでしょ」

「うん」

僕は、無理矢理笑顔を作って優の手を優しく解く。………僕は、いつから優を好きになったんだっけ?結構長くて、うろ覚えかも……。えっと、確か……。中学生の時だっけな?

「ねぇ?確かさ、僕と優が初めて逢ったときってさ。……僕が、丁度虐められてるときだったよね?」

「………そうだね」

優は、僕に遠慮してるのか視線を逸らして窓の外をチラッと見た。僕は、優の瞳に映った青空の見てた。

「僕、あの時の優は一生忘れられないかも。いや、絶対に忘れない」

「忘れてよ。恥ずかしいから」

「嫌だ。…僕と優が初めて逢ったときだよ?忘れるわけ無いじゃん…」

「そうですか…。まだ、中学生だったレンの方が、正常だったよ。今とはまるで違うよ。変人じゃなかっ…。いや、初めて逢ったときから、変人だったね…。カナも、チカも。皆変人だった」

「ははっ……。そうだね」

思い出したくなくて…。でも、思い出さないと、優との初めて逢ったときの事を思い出せない。…それに、もう過去の事だから。怖くない…。って、言ったら嘘になる。

「でも、レンは一つ変わった事あるよ?」

「ん?何?」

「─────事。だよ」

優が、話してる途中で、チャイムが鳴った。……僕は、何が変わったのだろうか?気になる…。良いことだと良いな……。

僕と優が初めて逢ったときは、余り良い時では、無かった。

あれは、僕達が中学生二年生になって直ぐの頃───。