長い さらさらの銀髪が、机に垂れている。
ヘッドホンで音楽を聴きながら彼――椎名君は寝ていた。
女の子より長い、銀の睫毛に、どきっとする。
ぞっとする程、その寝顔は美しかった。
――お荷物なのは、椎名君も、同じだよね。
何で朝っぱらから寝てるのか突っ込みたいのを我慢して、私は苦笑した。
でも、椎名君は私とは違う。
友達が作れないんじゃなくて、作る気が無いんだ。
曽根倉君と話してるとこしか、見た事 無いし。
その曽根倉君とも、入学式の日に会話したっきりだ。
私、どうすれば良いんだろ。
その時。
クラスの女子の、ひそひそ声が聞こえて来た。