「しっ、椎名君!?」

ルーム長の声。

彼女と他の女子は、あわあわと震えていた。

翔織は そんな彼女達を、冷たい瞳で睨むと、一言。

「俺の名を、気安く呼ぶな。」

崩れ落ちるルーム長に背を向け、翔織は自分の机から鞄を取った。

「……と、とし――。」

「帰る。」

話し掛けた私の肩を労るように そっと押し戻し。

翔織は教室を出て行った。