とっておきの恋

死んでもいい。

本気でそう思った。

あたし、安部くんの言葉信じていいんだよね。

ね、安部くん。



あたしは何もいえなかった。

言えないかわりに、こくんとうなずいて、そしたら安部くんがあたしのこと抱きしめていた。



いったんその力をゆるめると、あたしの耳元で

「エリちゃん、好きだよ」

って囁く。

あたしの視界はすっかり緩んでしまって、ぼんやりとしか見えなかったけど、

安部くんの唇があたしの唇にそっと触れた。



たぶん、夢じゃない。