「あいつは目障りなんだよ!」

河辺くんは吐き捨てるように怒鳴る。

同時に壁をこぶしで叩いた。

壁はその勢いでぱらぱらと崩れ落ちる。



「妬んでるんだ、河辺くん。安部くんにかなわないから」



パシッ。


あたしは顔を殴られた。



痛い、痛いよ…。


ほっぺたがじんじんいってる。



「エリちゃん。失礼なことを言ったら容赦しないよ。そのかわいい顔がぐちゃぐちゃになってもしらないから」



――河辺くんは狂っている。