「か、河辺くん。どうして…?」


あたしは後ずさりしていた。

だって、ここに来るのは、安部くんとカオリンのはず。

河辺くんじゃないよ。



「びっくりした?」

河辺くんは、にやりと口元だけで笑った。

「安部っちの携帯借りちゃった。やつは気づいてないだろうけどね」

「それじゃあ…」

「そうだよ、君をはめるための罠さ」



河辺くんは白いハンカチを手に持っていた。


「ごめんね、エリちゃん」


白いハンカチはあたしの口をふさぎ、次の瞬間あたしは何もわからなくなってしまった。