とっておきの恋

――ピンポーン。


誰だろう。

悪いけど、とてもじゃないが起きられない。

留守だと思って帰ってくれ。



しかし、また、ピンポーン。


そして続けてピンポーン。




ピンポンの主は諦めが悪いらしく、しつこく何度も押してくる。



「あー、もう。わかったって」



あたしは根負けした。

よろよろとベッドから起き上がり、階段を下りていく。


「はい、今行きますよ」