深層融解self‐tormenting

車窓に流れる景色を見ながら、そんな思い出をぼんやりと思い出していると、隣で運転する人の呼び声で現実に引き戻された。



「あ…ごめ。聞いてなかった。何?」

「何?じゃねーよ。着いたんだけど」


もう一度、ごめんと呟いて車から降ろしてもらった。



春休みの今日、先生の仕事が休みの日に、卒業旅行で温泉地に一泊で泊まることにしていたのだ。


クリスも卒業したんだし、一緒に行こうよ…って誘ったら、先生はものすごく不貞腐れてフォローに困った。



それを聞き付けた兄貴・春臣・鷹嘴先生も着いてくるらしいけど。


もうこの人達には何を言っても無駄だと諦めた。




そして今日泊まる温泉旅館は、テレビでも何回も《日本一の温泉》と紹介されている超有名な温泉。



なんでも、温泉に含まれる鉄分が半端ないし、海辺に設えた露天風呂から見る夕日が沈む景色が絶景だとの事で。


あとの楽しみは料理なんだけどな!バイキングだって言うけど、ちゃんと板さん達が地場の食材を使って造る魚料理がメインのバイキングだって。


どんな海の幸が出てくるか、わくわくしながら待ってよーっと。