深層融解self‐tormenting

校庭の片隅に建っている部室棟の一室に、陸上部の部室がある。



その扉をノックして開けると、汗臭い臭いが充満していた。夏場だからな。




中には10人前後の男子生徒が休憩していた。

「高梨君って人、います?」

単刀直入にそう尋ねると、「あ、俺だけど」と、手を挙げた生徒が一人。

いたんだ。良かった。


「いきなりでごめん。私もF大志望なんだけど、オープンキャンパスに行かなかったんだ。それで、色々教えて貰えると嬉しいんだけど……」

「あ…と、雲母さん……だよね?え、マジでF大行くの?」


いや、まだ志望したばかりだから、はいれるかどうかは分からないけど。


「まぁ、一応。でも、何で私の名前、知ってんの?」

「お兄さんが有名人じゃん」


まぁ、確かに。


「じゃ、悪いけどちょっと俺抜けるから」


そう言い残して、高梨君と私は外に出て、中庭まで歩いた。