「あれぇぇ? ホントだぁ……夢だったのかなぁ」

「そうそう、女形の私がそんなお下品する訳無いでしょ?」


 思い出したようにベースを取り上げ掻き鳴らし始める咲邪。


「やっぱり格好良いですぅ」


 瞳を潤ませて咲邪を見詰めるマキを見て、咲邪はホッと胸を撫で下ろしていた。


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「昨日はどうなる事かと思ったわ?」

「咲邪はぁ、以外と男らしいもんなぁ」


 覇龍と咲邪はのんびりと散歩をしていた。


「あれ? 斬汰は?」


 ゼロを連れて付いて来ている筈の斬汰が見当たらない。2人は辺りを見回し呼び掛けた。


「おおぉぅい、斬汰ぁあ!」

「斬汰! どこに居るの?」

「……だ。……るんだ」


 遠くで斬汰が叫んでいる。声を頼りに駆け付けてみると、小高い丘の上で踏ん張っているゼロが見えた。