咲邪は毛玉だらけのテディベアを壁際に座らせると目を閉じ、ぶつぶつと真言を唱え始めた。腰に巻いていたスカーフを手に被せ、その中で印を結ぶ。
「のぉまく……そわたや……かん……」
すると次第にテディベアの毛色が銀色に変わり、カールのかかった体毛がまっすぐに伸びる。光を帯びた煙がその周りをベールのように包む。
ブゥーゥン ブ ブ ブ
咲邪のベースが誰も触れていないのに鳴り出した。霊の存在が近い証である。
「……ん、喝カツ」
咲邪がそう漏らすと、テディベアの全身に電流が走り、激しく痙攣する。それが収まると、銀色のぬいぐるみはすくっと立ち上がって言った。
「下々の者。久方ぶりではないか」
「なんだよぉコン吉ぃ。誰の真似してんだよ、キツネの癖にぃ」
覇龍がのんびりと茶々を入れる。コン吉と呼ばれた銀色のテディベアは、怒りで目を血走らせている。
「おまっ! お前ら儂はなぁ」
ブワッ
一陣の風が吹いたかと思うと、銀色のテディベアは体毛を総毛立たせた。
「はっはっはっ。教えて貰わなくとも知ってるんだ。伝説の妖狐、九尾狐の『不知火』様だ」
斬汰が少し出っ張った腹を抱えて高らかに笑い、そしておちゃらけて言った。
「あなた、私達は親愛の情を込めて『コン吉』って呼んであげてるんだから。もっと喜んでもいいのよ?」
「喜ぶものか! 霊媒師とはいえ、守護霊に対する無礼は許さんぞ?」
可愛い筈のテディベアが牙を剥いて凄むさまは些か妙だ。しかし妖狐不知火が憑依した熊は諦めたのか、急に大人しくなった。
「して、今日は何用だ? 儂を呼ぶからにはかなり手強い……」
「のぉまく……そわたや……かん……」
すると次第にテディベアの毛色が銀色に変わり、カールのかかった体毛がまっすぐに伸びる。光を帯びた煙がその周りをベールのように包む。
ブゥーゥン ブ ブ ブ
咲邪のベースが誰も触れていないのに鳴り出した。霊の存在が近い証である。
「……ん、喝カツ」
咲邪がそう漏らすと、テディベアの全身に電流が走り、激しく痙攣する。それが収まると、銀色のぬいぐるみはすくっと立ち上がって言った。
「下々の者。久方ぶりではないか」
「なんだよぉコン吉ぃ。誰の真似してんだよ、キツネの癖にぃ」
覇龍がのんびりと茶々を入れる。コン吉と呼ばれた銀色のテディベアは、怒りで目を血走らせている。
「おまっ! お前ら儂はなぁ」
ブワッ
一陣の風が吹いたかと思うと、銀色のテディベアは体毛を総毛立たせた。
「はっはっはっ。教えて貰わなくとも知ってるんだ。伝説の妖狐、九尾狐の『不知火』様だ」
斬汰が少し出っ張った腹を抱えて高らかに笑い、そしておちゃらけて言った。
「あなた、私達は親愛の情を込めて『コン吉』って呼んであげてるんだから。もっと喜んでもいいのよ?」
「喜ぶものか! 霊媒師とはいえ、守護霊に対する無礼は許さんぞ?」
可愛い筈のテディベアが牙を剥いて凄むさまは些か妙だ。しかし妖狐不知火が憑依した熊は諦めたのか、急に大人しくなった。
「して、今日は何用だ? 儂を呼ぶからにはかなり手強い……」



