「……ぁぁ、なんだかここんとこ全然眠れなくてな」
前田の同僚は今買ったばかりのインディゴブルーマウンテンを2本、両手にぶら下げている。
「ほら、これでも飲んで目ぇ覚ませ。元気無いどころか、具合悪そうじゃないか」
目の下に大きな隈を作った前田の顔を覗き込み1本を差し出すと、自分もプルトップを引いた。
カシュッ
「それがさぁ。聞いてくれるか? あのプチ霊体験なんだけど……」
前田は弱々しい声でゆっくりと話し始めた。彼に依るとあの日始まった霊現象は日に日にエスカレートし、最初はひとりだと思われた霊も今では何人にもなって騒いでいるのだという。
あまりの霊現象の酷さに妻と子供を実家に帰し、知り合いのつてを辿って見出だした霊能者に除霊を依頼したが、騒ぎは収まるどころか益々酷くなったというのだ。
「明るくなって静かになると、強烈な眠気に襲われて気を失うんだけど……」
作り笑いを浮かべて話す前田の顔には、生気の欠片も伺えない。
「それで少しは眠れるんだな?」
同僚は安堵の色を見せて聞く。
「それが全然……見る夢がまた凄い悪夢で、すぐ目が覚めてしまうんだよ。もうフラフラだ」
彼はスッカリぬるくなってしまったコーヒー缶をポケットにしまうと
「ご馳走さま。聞いて貰って少しは楽になったよ」
そう言って力無く立ち上がり、配達に出掛けようと自らのトラックへ向かった。
キキィィーッ!
ドンッ ドサッ
〇※○※○※
「どうだい? このグルーヴ感わぁ」
「ホィホィ、いいね。ここのドラムはドットコドコターンってのはどうだ?」
前田の同僚は今買ったばかりのインディゴブルーマウンテンを2本、両手にぶら下げている。
「ほら、これでも飲んで目ぇ覚ませ。元気無いどころか、具合悪そうじゃないか」
目の下に大きな隈を作った前田の顔を覗き込み1本を差し出すと、自分もプルトップを引いた。
カシュッ
「それがさぁ。聞いてくれるか? あのプチ霊体験なんだけど……」
前田は弱々しい声でゆっくりと話し始めた。彼に依るとあの日始まった霊現象は日に日にエスカレートし、最初はひとりだと思われた霊も今では何人にもなって騒いでいるのだという。
あまりの霊現象の酷さに妻と子供を実家に帰し、知り合いのつてを辿って見出だした霊能者に除霊を依頼したが、騒ぎは収まるどころか益々酷くなったというのだ。
「明るくなって静かになると、強烈な眠気に襲われて気を失うんだけど……」
作り笑いを浮かべて話す前田の顔には、生気の欠片も伺えない。
「それで少しは眠れるんだな?」
同僚は安堵の色を見せて聞く。
「それが全然……見る夢がまた凄い悪夢で、すぐ目が覚めてしまうんだよ。もうフラフラだ」
彼はスッカリぬるくなってしまったコーヒー缶をポケットにしまうと
「ご馳走さま。聞いて貰って少しは楽になったよ」
そう言って力無く立ち上がり、配達に出掛けようと自らのトラックへ向かった。
キキィィーッ!
ドンッ ドサッ
〇※○※○※
「どうだい? このグルーヴ感わぁ」
「ホィホィ、いいね。ここのドラムはドットコドコターンってのはどうだ?」



