《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》

「皆さん。アキさんと私達は今、結界が張られたフィールドの中に居るので、アキさんを見る事が出来ます」


 咲邪が現状の説明をするが、招待した客達はいきなりのことにざわつき始めた。


「昼間だというのに、部屋が真っ暗になったわ?」


「どういう仕掛けなのかしら。カーテンだって引いて無いのに……」


 そう言う2人を見て、今度はアキが人差し指を唇に当ててウィンクした。


「えっ? 本物なのっ?」


 アキは斜に構え、腕組みをして反り返ると大きく頷いた。


「私達の言うことが聞こえてるんだわ?」


「そうです。勿論本物です。でも今、私達はアキさんを見る事は出来ますが、霊魂は基本的に喋る事が出来ません」


「霊の声を聞いたなんて話は、嘘なんですか?」


 相手はまったくの素人だ。咲邪はあくまで穏やかに、噛んで含めるように答える。


「あれは悪霊の使う『霊術』の類いなんです。

 霊の声帯は冥界の霊気なら震わせられますが、現世の空気を震わす事は出来ないのです」


「なるほど。そうなのね……」


 一同は納得して頷いた。


「ではこれからアキさんに喋れるようになって貰いますね」


 咲邪は彼らを見回すと、両拳をスカーフの中に入れ真言を唱え始めた。


「のおまくさぁ……しゃぁたぁ……たらたあ……喝っ!」



  ビシビシッ! ビビッ!



 咲邪が印を振り降ろすと古びたテディベアが痙攣し、体毛がみるみるうちに小麦色に変わって、艶々と輝き出す。


「な、何? 今度は何なの?」


 みんなは熊のぬいぐるみを食い入るように見詰めた。


「アキさんは現世に存在するこのぬいぐるみに憑依しました」