《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》

 咲邪達はエレベーターで一番上まで登り、一階ずつ下りながら臭いを確かめることにした。しかし。


「この階も臭わない」


 入院棟の最上階である12階から降りてきて、今は3階。残すところは後2フロアだ。


「ホントにここでいいのかぁ?」


「間違いない。臭った」



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 結局どちらにも霊穴は無く、一行はロビー迄降りてきてしまった。


「おい馬鹿犬、いつまでもお前に付き合う訳にはいかないのだぞ?」


 テディベアに憑依して咲邪に抱かれた不知火は、少し苦しそうに言った。


「大分消耗してきたわね、交代する?」


 咲邪は心配そうにテディベアを覗き込んだ。


「何を言う! 儂は平気だと言っているだろう」


 不知火の額や脇の下に手を入れて暫く考えていた咲邪は言った。


「じゃあ悪いけどもう少し頑張って? ゼロ、早いとこ頼んだわよ?」



  アフッ



 ゼロは一声吠えると、鼻先を高々と持ち上げて臭いを確かめた。


「咲邪。ゼロ体勢悪い。集中出来ない」


 みんなは既に中庭に居たので、ゼロを袋から出してやる。


「クゥン……花粉症か? 臭いしなくなった」


「おいおい、頼りにならないな。鼻が錆び付いちまったか? どうだ」


「斬汰済まない。狐も済まなかった」


「まぁ仕方ない。では逝くぞ?」



  クタッ



 不知火が言い終わるが早いか、テディベアは只のくたびれたぬいぐるみに戻った。

 その時前田は念の為に脳のMRI写真を撮る事になり、より精密な検査が出来る系列病院へ搬送されていた。ゼロは喋れるようになると遠くの臭いが解らなくなってしまうので、その事に気付かなかったのだ。