《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》

「霊穴このずっと先に有る、水の臭いする。森の匂いも。霊がたくさん沢山涌いて出てる」



  グルルルゥゥウ ワンッ!



 眉間にシワを寄せ、遥か遠くを見据えて唸り声を上げるゼロ。


「うう〜ん。ゼロ君、地図で解る?」

「やってみる。フガッ」


 マキに言われて日本地図を嗅ぎ出すゼロ。マップダウジングならぬマップスニッフィングだ。


「フガフガッ、ここら辺」

「富士山のふもと辺りだ、遠いんだ」


 斬汰は地図帳をめくって詳細図を広げる。


「ここ、違う」

「じゃあここだ」

「ここも違う」

「これはどう?」


 焦れったくなって咲邪が広げたページに霊穴は有った。


「ここ、ここ臭い。この森の中臭い!」


 マキは静かに目を開けると、今見た光景をひとつひとつ挙げて行った。