「も、萌え様っ!」


 真っ赤なテディベアは頭を隠してうずくまった。


「高島坊! そこまで嫌わなくてもいいべさ」


 狗賓グヒンの高島坊は、萌えリンからそれこそこてんぱんにやっつけられていた。彼女の出現に思わず身体が反応してしまったのだ。


「それよりお前達! ゼロが霊穴を嗅ぎ当てたってのにナニ知らんぷりしてるんだわさっ!」



  ヒュゴォォォォッ



 また一段と炎の勢いを増す萌えリン。これが昼間でなかったら、明日のワイドショーはUFOの目撃情報で持ちきりだろう。


「悪かったわよ、萌えリン。折角のオフだったから、みんな休んでいたかったのよ」

「それにぃ、そんなにデッカイ姿を晒してたらぁ、人間に見られちまうぞぉ?」


 みるみる小さくなって通常サイズになった萌えリンは、目を凝らさなければ見えないようになっていた。