お昼時。
買い出しじゃんけんに負けた井方君と城島君に付き合って、私もフードコートを回っていた。
ケータイにメモした買い出し表を見ながら、城島君が溜息を吐く。
「井方、これって全部でいくらになるの?」
足し算すらできないのかと呆気にとられる私の横で、井方君が「1万円払えば多分おつりがくると思う!」とガッツポーズをする。
どうやら此方もあまり頭がよくないらしい。
井方君と城島君が話しているところを見るのは今日が初めてで、なんだか新鮮ではあった。
井方君の完璧そうな印象がガラガラと崩れて行くのは少しだけショックだったけれど、城島君とバカっぽい会話をしているところを見ると、少しだけ心が和んだ。
「2315円だよ、合計」
私が言うと、城島君が預かって来た財布を開き、「2500円払えばおつりくるかな」と井方君に小声で訊ねる。
井方君も「足りないんじゃないかな多分……」と言いながらまた私を振り返る。
「ちゃんとおつり出るから」
私がそう言うと、ようやく城島君がお店へと走って行った。
買い出しじゃんけんに負けた井方君と城島君に付き合って、私もフードコートを回っていた。
ケータイにメモした買い出し表を見ながら、城島君が溜息を吐く。
「井方、これって全部でいくらになるの?」
足し算すらできないのかと呆気にとられる私の横で、井方君が「1万円払えば多分おつりがくると思う!」とガッツポーズをする。
どうやら此方もあまり頭がよくないらしい。
井方君と城島君が話しているところを見るのは今日が初めてで、なんだか新鮮ではあった。
井方君の完璧そうな印象がガラガラと崩れて行くのは少しだけショックだったけれど、城島君とバカっぽい会話をしているところを見ると、少しだけ心が和んだ。
「2315円だよ、合計」
私が言うと、城島君が預かって来た財布を開き、「2500円払えばおつりくるかな」と井方君に小声で訊ねる。
井方君も「足りないんじゃないかな多分……」と言いながらまた私を振り返る。
「ちゃんとおつり出るから」
私がそう言うと、ようやく城島君がお店へと走って行った。