点呼というものは特になく、ゲートの前に立っている先生たちに名前を言い、名簿にチェックを入れてもらうことによって出欠席を記録するシステムらしい。
少しの手間をとって中へ入ると、2年生たちも既に来ていた。
ゲートの横に突っ立っていた鈴木君が、芳野君の顔を見るなり声を上げて駆け寄って来る。
「やっぱりバレたじゃねーか!
もうおまえも俺と同じ金髪にしろよ!
そしたら入れ替わりできるから!」
真顔で怒鳴る鈴木君を、下級生たちが好奇の目で見ながら通り過ぎて行く。
――金髪にしてもバレるよ……。
そう思いながらも、鈴木君と芳野君の2人には関わりたくなくて、私はソッと彼らから視線を外す。
「亜衣ちゃんが茶髪にすればいいんだよきっと。
オールバックとかやめちゃいなよ」
「その呼び方やめろし」
ヘラヘラと笑う芳野君の背中を蹴飛ばして、鈴木君が眉間に皺を寄せる。
「サツキは?」
芳野君が訊ねると、鈴木君がジェットコースターを指さした。
「バスケ部2年、全員一緒だった」
芳野君はジェットコースターを見上げて「ふぅん」と小さく呟いた。
少しの手間をとって中へ入ると、2年生たちも既に来ていた。
ゲートの横に突っ立っていた鈴木君が、芳野君の顔を見るなり声を上げて駆け寄って来る。
「やっぱりバレたじゃねーか!
もうおまえも俺と同じ金髪にしろよ!
そしたら入れ替わりできるから!」
真顔で怒鳴る鈴木君を、下級生たちが好奇の目で見ながら通り過ぎて行く。
――金髪にしてもバレるよ……。
そう思いながらも、鈴木君と芳野君の2人には関わりたくなくて、私はソッと彼らから視線を外す。
「亜衣ちゃんが茶髪にすればいいんだよきっと。
オールバックとかやめちゃいなよ」
「その呼び方やめろし」
ヘラヘラと笑う芳野君の背中を蹴飛ばして、鈴木君が眉間に皺を寄せる。
「サツキは?」
芳野君が訊ねると、鈴木君がジェットコースターを指さした。
「バスケ部2年、全員一緒だった」
芳野君はジェットコースターを見上げて「ふぅん」と小さく呟いた。