クラス分けの表を、口を半開きにしたまま眺めてしまった。

「残念、綾瀬。クラス離れちゃったねー」

ポンポンと私の肩を叩いて、1年の頃からの親友であるめぐちゃんは、私の横を通り過ぎて行った。

「俺らもめぐと一緒か……」

表を眺めていた野球部の男子たちも、私への挨拶をそこそこにめぐちゃんの後に続いて行ってしまった。

大学進学クラスは全部で3クラス存在する。

私は国立大志望の生徒を対象とする少人数制のAクラスへと所属が決まった。

2年間仲良くしていた人のほとんどはCクラスに集中してしまい、Aクラスに知っている名前はほとんどない。

――大丈夫かな、私……。

早くも初日から不安を抱えてしまった私の肩を、ポンポンと叩いて誰かが通り過ぎて行った。

振り返ると、校舎の入口へと消えて行く男子の背中が見えた。

180センチ以上の長身と長い茶髪は、パッと目立っていた。

「木山先輩だ……」

他学年の女子たちが顔を赤らめながら囁く。

――淳君だ。

私も心の中で呟いて、もう1度クラス分けの表を見上げる。

「風野綾瀬」の1つ下には「木山淳」。

3年間ずっと席が前後だった男子の名前がハッキリと記載されていた。