「バスケ部って厳しいの?
私、あそこの評判はあまり聞いたことがないけれど……」

夜遅くまでボールの弾む音が聞こえる体育館を思い出して、訊ねてみた。

バスケ部での知り合いだなんて芳野君くらいのもので、全体的な雰囲気や構成なんてまったく知らないでいた。

「普通に和気あいあいとした部活なんだけど、ただ体育会系だから上下関係は厳しいから、1年のうちは辛いみたいだよ。
部活以外の時間でも先輩に会ったら絶対に立ち止まって頭を下げて挨拶をしなきゃいけないし、無断欠席は勿論のことで理由があっても部活を休むことはできない。
あと合宿中も1年生は最後まで起きていなければいけないし、朝食を作るのも1年生。
何より有名なのが退部する時の手順だね……」

梶君の説明を聞いているうちに、私までもぐったりしてしまった。

運動部なのだから仕方のない面もあるけれど、あまりにも面倒だ。

いまどきそんな規則を律儀に守る生徒も生徒だとは思うけれど。