翌日の昼休み。

梶君は早々とパンを食べ終えて、片付けを始めた。

「バスケ部員のクラス一通り回って来る」

梶君の言葉に浅井君たちが頷いた。

「風野も一緒に来る?」

お弁当を忘れてジッと隅の方に座っていた私に、梶君は明るく声をかけてくる。

私は首を縦に振って、立ち上がった。

校舎の中へと入ると、生徒たちのにぎやかな声が階下から聞こえて来る。

「バスケ部からの転部希望者って多いの?」

私が訊ねると、梶君は「まぁね」と笑う。

「野球部は運動部の駆け込み寺って言われてるくらいだから。
厳しい部活からは結構転部してくる生徒が多いよ」