「明日の試験休みさ、予定通りモールで良いかな」
屋外階段を降りながら浅井君に確認をされ、梶君が頷く。
「高3にもなると、試験だってイベントの1つみたいな感じだよね。
淳とか浅井には理解しがたいかもしれないけれど」
梶君が茶化すように言うと、淳君と浅井君がムッとしたように顔を伏せた。
そんな和やかな空気を黙させるように、鈍い音は体育館裏に響いた。
私の横を歩いていた淳君がパッと足を止め、それに続くようにしてすべての足音が止まった。
彼の視線を辿って行った先に、バスケ部員3人の姿が見えた。
階段の影となってしまっているその場所は、丁度死角となって見つけにくい。
「何してるの淳、早く行くよ」
彼らに気付いていなかっためぐちゃんが、明るい声でそう言った。
めぐちゃんに続いて、ゾロゾロと皆は校門を抜けて行く。
「綾瀬、あいつらと面識ある?」
淳君に言われ、私はもう1度3人を見る。
アッシュに染めた髪を後ろにくくった男子は、持田君。
明るい茶髪をポニーテールに結わえた長身の男子は、先日練習中に3年生から怒鳴られていた赤坂君。
そして、赤坂君に馬乗りされ、地面に倒れ込んでいるのが、城島君だった。
赤坂君が馬乗り状態のまま腕をねじり直すと、城島君の悲鳴がハッキリと聞こえた。
「声出すなっつったろ」
立ったまま2人を見下ろしていた持田君は、城島君の髪を乱暴に引っ張ると、顔を上げさせる。
「日本語通じないんだっけ。
バカだから」
バカにしたような赤坂君の言葉に、持田君が「そっか」と笑った。
立ちあがった持田君は大きく伸びをし、赤坂君と目を合わせると肩を竦める。
そして、間髪入れずに城島君の顔面をサッカーボールのように蹴りあげた。
屋外階段を降りながら浅井君に確認をされ、梶君が頷く。
「高3にもなると、試験だってイベントの1つみたいな感じだよね。
淳とか浅井には理解しがたいかもしれないけれど」
梶君が茶化すように言うと、淳君と浅井君がムッとしたように顔を伏せた。
そんな和やかな空気を黙させるように、鈍い音は体育館裏に響いた。
私の横を歩いていた淳君がパッと足を止め、それに続くようにしてすべての足音が止まった。
彼の視線を辿って行った先に、バスケ部員3人の姿が見えた。
階段の影となってしまっているその場所は、丁度死角となって見つけにくい。
「何してるの淳、早く行くよ」
彼らに気付いていなかっためぐちゃんが、明るい声でそう言った。
めぐちゃんに続いて、ゾロゾロと皆は校門を抜けて行く。
「綾瀬、あいつらと面識ある?」
淳君に言われ、私はもう1度3人を見る。
アッシュに染めた髪を後ろにくくった男子は、持田君。
明るい茶髪をポニーテールに結わえた長身の男子は、先日練習中に3年生から怒鳴られていた赤坂君。
そして、赤坂君に馬乗りされ、地面に倒れ込んでいるのが、城島君だった。
赤坂君が馬乗り状態のまま腕をねじり直すと、城島君の悲鳴がハッキリと聞こえた。
「声出すなっつったろ」
立ったまま2人を見下ろしていた持田君は、城島君の髪を乱暴に引っ張ると、顔を上げさせる。
「日本語通じないんだっけ。
バカだから」
バカにしたような赤坂君の言葉に、持田君が「そっか」と笑った。
立ちあがった持田君は大きく伸びをし、赤坂君と目を合わせると肩を竦める。
そして、間髪入れずに城島君の顔面をサッカーボールのように蹴りあげた。